新十両・一意 虎風(かわぶち かずま とらかぜ)は、2026年1月場所でデビューした角界最重量の関取として注目を集めています。一意の相撲の父が元大関なのかという疑問を持つ方も多いようですが、実際はどうなのでしょうか。輝かしいアマチュア実績や大怪我からの驚異の復活劇まで、一意の素顔に迫ります。
一意の相撲の父は元大関?
一意の相撲の父・川渕一男さんは、大相撲の力士ではありません。しかし、格闘技への深い愛情を持ち、息子たちを全力で支えた人物として知られています。
父・一男さんはどんな人物だったのか
一男さんは力士ではなく、「格闘技好き」として家族の間で親しまれていました。一意が小学生の頃から東大阪相撲道場への送り迎えを欠かさず、プロ入り後も最大の応援者として息子を支え続けていました。残念ながら2025年8月、肺の病気により52歳という若さで逝去されています。
出典元:サンスポ
一意の相撲人生に影響与えた父
一意は三段目優勝や新十両昇進を果たした際、亡き父について「一番の供養かなと思っています」と語っています。父との最後の会話は2025年6月、東京の病院でのことでした。回復に向かっていると思われていた矢先、名古屋場所のころに容体が急変したといいます。父の死という悲しみを力に変え、土俵で結果を出し続ける姿勢は、多くのファンの心を打っています。
一意の相撲の原点と幼少期の実績
一意の相撲人生は、小学2年生のときに東大阪相撲道場で始まりました。幼い頃から才能の片鱗を見せていた一意の歩みを振り返ります。
貴ノ花ゆかりの師に学んだ幼少期
道場で指導を受けたのは、元幕下・新花山氏です。新花山氏は元大関・貴ノ花(初代)の一番弟子として知られており、一意は幼少期からその薫陶を受けて育ちました。小学4年時にはすでに全日本小学生相撲優勝大会で頂点に立ち、日本一を経験しています。名門の流れを受け継いだ指導が、一意の土台を築いたといえるでしょう。
中学・高校時代に5冠を達成
一意は相撲の強豪校を渡り歩き、着実に実績を積み重ねてきました。石川県の金沢市立犀生中学校へ相撲留学し、その後は金沢学院大学附属高等学校へ進学しています。高校時代には世界ジュニア相撲選手権大会の重量級で優勝するなど、通算5冠を達成しました。国内にとどまらず世界の舞台でも結果を残したことで、将来を嘱望される存在として広く知られるようになっています。
日本大学出身
一意は日本大学文理学部社会学科に進学し、相撲部で数多くのタイトルを獲得しています。
国体横綱の称号を手にした大学4年時
大学4年時には国民体育大会(国体)成年の部で個人優勝を果たし、「国体横綱」の称号を獲得しています。在学中に手にしたタイトルは合計6つにのぼります。また大学2年時に左膝靱帯を断裂して1年間休場しましたが、3年時のインカレでは監督の「お前がいないと勝てない」という言葉に応えて強行出場し、団体優勝に大きく貢献しました。
母校から贈られた化粧まわしに込められた想い
十両昇進を祝して、日本大学から校章の刺繍が入った純白の化粧まわしが贈られています。母校からの贈り物は、大学関係者が一意の活躍をいかに誇りに思っているかを象徴するものです。アマチュア時代に培った絆と実績が、プロの世界でも一意を支える力となっています。
プロ入り後の経歴と大怪我からの復活
一意のプロとしての歩みは、壮絶な試練と不屈の精神で彩られています。
デビュー直後に右膝前十字靱帯を断裂
2024年7月場所に幕下最下位格付出でデビューしましたが、5戦目で右膝前十字靱帯断裂という重傷を負い、救急搬送されました。手術後は4場所連続で全休を余儀なくされ、番付は序ノ口まで降下しています。
序ノ口から3場所連続全勝優勝という快挙
2025年5月場所に序ノ口で復帰すると、そこから驚異の快進撃が始まります。5月に序ノ口優勝(7戦全勝)、9月に三段目優勝(7戦全勝)、11月に幕下優勝(7戦全勝)と、3場所連続で全勝優勝という圧巻の成績を収めました。復帰からわずか4場所で関取の座を掴み取った歩みは、多くの相撲ファンを驚かせています。
2026年1月場所で新十両昇進を果たす
新十両昇進を果たした2026年1月場所前の計量では、体重206kgを記録しています。新十両にして角界最重量関取という異色の存在として、大きな注目を集めました。巨体ながらもフットワークの良さを持ち合わせており、日大時代の監督からも「結構フットワークがいい」と評されていたほどです。
一意の強さを支える技術と自己管理
土俵での強さの背景には、徹底した自己管理と技術的な裏付けがあります。
押し出しを軸にした圧倒的な推進力
直近の取組では決まり手の44%が「押し出し」で、次いで「寄り切り」が24%を占めています。200kgを超える体重を生かした圧倒的な推進力が最大の武器といえます。巨体でありながらフットワークも備えており、相手にとっては対応が難しい力士です。
復帰後に徹底した食生活の管理を実践
怪我からの復帰後、食生活を大きく見直しています。毎日同じものを食べるという徹底した管理を自ら考えながら実践しており、体づくりへの真剣な取り組みが伝わってきます。ストイックな姿勢が、復帰後の快進撃を支えた要因の一つといえるでしょう。
一意の人物像とこだわりの四股名
四股名「一意 虎風」は自ら考案したものです。本名の「一意(かずま)」に友人の名前などに由来する「虎風(とらかぜ)」を組み合わせています。部屋特有の文字を使わず本名にこだわった理由は、「何事にも染まらない自分でありたい」という強い信念によるものです。四股名の一字一字に、一意の生き方に対する覚悟が込められています。
座右の銘は「一意専心」
協会公式アンケートでは「相撲界No.1の水好き」を自負するユニークな一面も見せています。趣味は音楽鑑賞や韓国ドラマの視聴で、好きな食べ物は鍋と鶏肉です。座右の銘は「一意専心」で、自身の名前が入っていること、そして一つのことに集中するという意味が自身の考えと合致していることから、プロ入りの際に改めて選んだ言葉です。
まとめ
一意の相撲の父・川渕一男さんは元大関ではなく、格闘技一家を温かく支えた応援者でした。幼少期から積み重ねてきた実績と、大怪我を乗り越えて序ノ口から新十両へと駆け上がった経歴は、まさに不屈の精神の証といえます。亡き父への誓いを胸に、今後の土俵での活躍からも目が離せません。